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2023年9月号

 

 


ブームに乗って買ったキャンプ道具が押入れでほこりを被ってはいないだろうか?
新型コロナウイルスの感染症の分類が5類に引き下げられたこともあり、
大人数で遊ぶ機会を作りやすくなった。
BIRDERではこれまでもコロナ禍に対応したソロキャンプを中心に紹介してきたが、
ここで大人数で楽しむキャンプも改めて紹介したい。

 
常在戦場……

 今回BIRDER編集部が向かったのは、3年前(2020年9月号)紹介した、群馬県の丸沼キャンプ場からほど近い、菅沼キャンプ村だ。ここは以前のキャンプ取材で通りすがったとき、鳥影が濃そうだと目をつけていた場所だ。菅沼キャンプ村は湖の畔にあり、予想通り少し散策するだけでもアオゲラやコサメビタキが確認できた。鳥見から戻ったら、妙に人馴れしたキジバトに見守られつつテントの組み立てと、夕食の準備を始めた。せっかくの大人数でのキャンプなので、夕食はBBQに加えて、ニンニクの利いたアヒージョや、お頭つきのエビが乗ったブイヤベース、焼きマシュマロをデザートにする豪華版に挑戦した。

アヒージョ。炭火でちょっと炙ったパンに乗せると最高(B)
 
ヤマセミが飛び去った畔(ほとり)。頭上で鳴いていたのに、
最初はキツツキの鳴き声だろうと油断していた……(B)
 

 ふだんの夕飯より豪華で、特別感もひとしお。焚き火を囲んで食事をしていると、「いつフクロウが鳴きだすか予想しませんか」と誰かが言いだした。「19時」「19時15分」「じゃあ20分」と次々に予想が挙がる。鳥屋のキャンプでしかできない遊びだ。食事を続けていると、フクロウより先に鳴き出した鳥がいた―ジュウイチだ。それから19時20分ごろにフクロウが鳴きだし、遠くからはヨタカの声まで聞こえはじめた。ジュウイチにいたっては、声の近さからして、すぐ近くまで来たりするではないか。

 
チェックアウト後の戦場ヶ原で鳥見。
さまざまな鳥が代わる代わる現れる、飽きない探鳥地だ(B)
 

 「常在戦場……」。そう呟いたのは肉を手にしたN村副編集長。その言葉通り、キャンプ場=寝食の場であり、探鳥地である、まさしく鳥見の最前線。この探鳥地と地続きになっているのが鳥見キャンプの醍醐味であろう。

 翌朝、なんとテントサイトにヤマセミが出た。取材のための撮影や、片付けで気が抜けていたときの登場だ。昨日「常在戦場」と言っていたのに、全員手元に望遠カメラも双眼鏡もないという体たらくで、声で気づいた同行のY氏が「ヤマセミじゃないですか!」と言ったときには、ヤマセミは湖へとUターンするところだった。未練がましく湖の畔まで足を延ばしたが、もう影も形もない。

 
ホオアカが見やすい位置に出てきてくれた!(B)
 
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