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2015年2月号

 

大形ツグミ類の地鳴きを聞き分けるコツ


アカハラ Turdus chrysolaus

アカハラ


アカハラの「ギョロロ」と聞こえる地鳴き
アカハラの連続して鳴く地鳴き

判別ポイント
シロハラと比べ「キョキョキョ……」「ジャジャジャ……」が幾分優しく聞こえるが……。

アカハラとシロハラの微妙な違いを聞き分けるには?
難しいのはアカハラ、シロハラで、地鳴きは大きく分けて3パターンある。

比較的に聞く機会が多いのは、「キョキョキョ……」「ジャジャジャ……」と短く連続して鳴く声である。この声は2,000〜9,500Hzで、声紋は基音が明確でなく一筋に見える。近くでは20,000Hzまで音が響いていることがある。 また、濁りのある声はウグイスの笹鳴きによく似ていて誤認したことがある。

なお、アカハラやクロツグミは、これに似た声をさえずりの前後に付ける。この地鳴きは、シロハラでは鋭く聞こえ、アカハラはそれほどでもないという印象がある。しかし、この声で2種を区別するのは難しい。

次に「ツィー」と聞こえる鋭く短い声で、これは飛び立つときによく出す。この声は全体に高く、声紋で見ると初めの「ツ」は9,000Hz、終わりのほうの「ィー」は7,000Hzに下がり、これを0.4〜0.5秒間に鳴く。

この声は、マミチャジナイもよく出すように思える。ただ、比べてみるとシロハラ、アカハラが鋭く聞こえるのに対し、マミチャジナイは「チュリー」と優しい感じに聞こえる。

これに加えアカハラとシロハラでは、「ギョロロロ」という声も聞く。これは、びっくりして飛び立つときに鳴くようだが、こちらも、この声で鳴かれるとびっくりする。声紋を見ると、1,500〜3,000Hzにある山型のパターンで、1秒間の間に8回声を出しているため、たいへんけたたましく聞こえる。

シロハラ、アカハラ、マミチャジナイは、DNAの特定領域の塩基配列が2%以下の違いしかなく、近い種類といわれている。それだけに、地鳴きによる区別は難しい。が、難しいだけに微妙な違いを聞き分ける楽しみがある鳥たちである。

 
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